【読書ログ】LIFE SHIFT

リンダ・グラットン著の「LIFE SHIFT」を読んだ。内容と考えたことをメモ。

 

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

 

 

 

★ LIFESHIFTの内容のメモ

生活水準の向上やテクノロジーの進歩により、人間の寿命はどんどん伸びている。
先進国で2007年に生まれた子供の半数は100歳以上生きるという調査結果があり、特に日本についはその半数が107歳まで生きるとのこと。
つまり、今は人生100年(100年ライフ)になっているのだ。ほんの100年前は人生60年とか言われていたのに。

そのような状況においては、現在の社会の一般的なライフステージである、
1.教育(社会にでる前。学生として教育を受けるステージ。)
2.仕事(社会に出て働くステージ。)
3.引退(社会を引退し、年金やこれまでの蓄えで過ごすステージ。)
という3ステージのライフステージは崩壊してしまうという。

なぜなら、寿命が延びたことで、「3.引退」のステージが非常に長くなり、このステージを過ごす為の金銭的な余裕がなくなってしまうからだ。
(65歳で引退して、100歳まで生きるとすると35年間このステージとなり、その期間、年金や貯蓄で賄うという状況になる。)

100年ライフを生き延びる為には、教育・仕事・引退という3ステージの人生という考え方ではなく、下記ステージを行き来し続けることで、
人生の間ずっと何かを生み出し続ける人生にしましょうと本書では述べられている。
「1.エクスプローラー」/「2.インディペンデントプロデューサー」/「3.ポートフォリオワーカー」

3ステージの人生は、それぞれのステージが不可逆的に進むのに対して、上記ステージは、それぞれが行ったり来たりする。

それぞれのステージについては、ざっくりと以下のステージだと解釈している。
1.エクスプローラー:価値観の再構築するステージ
2.インディペンデントプロデューサー:無形資産の構築するステージ
3.ポートフォリオワーカー:有形資産の構築するステージ

長い人生の中では、世の中の価値観というのはどんどん変わっていくので、エクスプローラーとして一度自分のキャリアをリセットして、自分自身の価値観を見直し、次の自分の進むべき方向性を定める。次にインディペンデントプロデューサーとして、次に進む方向性についてのスキルや人脈を構築する。そしてポートフォリオワーカーとして、築いたスキルや人脈を活かし、社会で働きつつ、有形の資産を築く。これを繰り返していき、多方向で活躍しつつも人生の最後まで金銭的に困ることのないような生活を送るというものである。

教育・仕事・引退の3ステージは、仕事のステージで引退期間を過ごす為の資産を構築して、引退ステージで少しずつ消費していくストック型なスタイルなのに対して、エクスプローラーなどのようなステージは常に生み出し続けるフロー型のスタイルである。

 

★ LIFE SHIFTを読んで思ったこと
エクスプローラー、インディペンデントプロデューサー、ポートフォリオワーカーという生き方はなるほどなと思いつつ、自分が一番印象に残ったのは、「100年」というキーワードである。(本書のテーマとはそれたところにあるかなぁ。)
もちろん、エクスプローラーなどのようなステージも確かにな〜とは思うんだけど、自分がそれを実践できるかと言われるとちょっとハードルが高いなぁというのが正直なところ。もうちょっと自分がレベルアップしないと実践はむずかしいかなぁ。

んで、100年というキーワード。
何を考えるのでも「100年」という視点で物事を考えてみると、今まで考えていたこととは違ったことが見えてくるなと思った。

私は今のところ、人生の一番目のテーマとして「楽しむ」ということを大事にしている。(もちろん仕事もプライベートも含めて”楽しむ”。遊んで一生暮らしたい的な怠惰な意味合いではなく。)

それが、”100年間楽しむ(楽しみ続ける。)”という期限がついたテーマになった。100年間楽しみ続けるということは、100年間人生に飽きない、つまらなくないということ。

そう思うと、「今やっていることが仮に10年20年続いたとすると、自分はそのことに飽きはしないか?つまらなくはならないか?」という問いになり、それが「きっと飽きる。つまらなくなる。」という答えになってしまうのであれば、何かを変える必要がある。

例えば、仕事について、「今やっている仕事をこのまま10年20年続けるとすると、自分はその仕事に飽きはしないか?」という問いに対しては、
私は「きっと飽きそう」という答えになる。なので、これまでとは違うような何かをしないと(し続けないと)、数年後「飽きた」という状況を迎えるのだろう。

これまでとは違う何か、今思い浮かぶキーワードとしては、「海外に行く」、「別な業務ができるように職場内の環境を変える」、「転職する」とかかな。
実際にするしないは別として、これらのキーワードや「飽きる」ということを意識して仕事をするのは大事な気がする。

少なくとも、この本を読み、このことを思い至った後は、特に「海外」というキーワードは大きくハードルが下がったと思っている。
100年というスパンで人生を見たとき、日本だけで生き続けるというのはきっと世界が狭くて、刺激が少なくて生活に飽きてしまいそう。
生活のベースは日本でいいんだけど、いつでも海外に行けるぜっていうくらいには海外に抵抗はなくしておきたいな。

何をするにしても、
「100年ライフという視点で見たとき、今やっていることってずっと楽しめることなの?楽しみ続けるにはどうすればいいの?」
という観点で物事を考るのは大事だなと思った。今後も続けていこう。